カンボジア旅行記 その4・プノンペン
青い枠のついた写真はクリックすると大きいのが新しいウインドウで開きます。


セントラルマーケット。


手前のがバサック川で奥のがメコン川。


川はトンレサップ川。人は休憩中の物売りのおばちゃん。ケツはライオンくん。


お菓子を売っていた女の子が一休みしている所を撮影。


発見!香港上海銀行プノンペン支店跡(じゃないかと思う、ちょっと自信ない)。今はただの雑居ビル。街を歩いていると色々な建築物と出会えます。


王宮の即位澱。


シルバーパゴダ。


トゥールスレン博物館のVIP用の独房。一般人用の独房はものすごく狭くて暗いので撮影できなかった。


キリングフィールドの塔に安置された骸骨。


ニャンダワン?暑さでダレまくって緊張感のないイヌ。


暑さで頬が伸びてしまった看板。写真をクリックすると他にもいかした看板がみれます。どうやら同じ人が書いているようです。


キャセイホテル。昔のジャーナリスト宿だったそうで、2泊しました。広い部屋が快適。ホットウォーター・エアコン・冷蔵庫付きで15$(一人の場合)。


Renakseホテル。王宮の真ん前にあり、広い庭が気持ちいい。シングル30$でホットシャワー・エアコン・冷蔵庫付き。僕の泊まった部屋はテラスが付いていて快適でした。


王宮のサンセット。凄く残念なのだが、写真の左を象が歩いているのがちゃんと写っていない。失敗写真。


カンボジア滞在中最も美味しかったメシ。fried pork with ginger。この場合の「fried」は炒めるではなく揚げるでした。ニンニクスライスと唐辛子付き。ビールはアンコールスタウト(黒ビール)で、むちゃくちゃ美味しい。

いつも旅行に出ると僕は一日中歩きます。朝9時から昼飯をはさんで夜の6時までほとんど歩き通します。疲れると公園のベンチや観光名所の椅子で一休みしますが、計算すると、時速4kmくらいの速度で歩いて一日7時間近く、28kmも歩いている事になります。これは大げさなので、休憩時間や、前に進んでいない時間(立ち止まったりしている時間)を勘案して15kmくらいは歩いているでしょう。

というわけで、テーマはプノンペンでどれだけ歩いたか、です。

プノンペンには3回立ち寄りましたが、一回目はバンコクから到着した時です。9時過ぎに到着し、バイクタクシーにバス停まで連れていてもらった後、バスの時間まで2時間ほど散歩しました。

まずマーケットの東側で両替し、モニボン通りというメインストリートを20分ほど南下します。やがてキャピタルゲストハウスのある辺りまで到着したので、東の方にしばらく歩き、今度は北上し、バス停まで戻ってきました。1時間ほどの散歩でしたが、街の広さは大体把握できました。そして、街の雰囲気も大体解りました。この町には歩いている人はあまりいません。みんなバイクで移動しているか、移動していないか、のどちらかです。暑いからでしょう。重い荷物を背負って(荷物を預けるところがなかったので全部担いでいた)、しかも長袖のシャツを着ている僕ははたから見たら馬鹿に見えたでしょう。

人が歩いていないので道を渡るのに苦労します。誰も渡っている人がいないので、いつ渡ればいいのか解らないのです。それに歩いていると目立つのか、すぐバイクタクシーが寄ってきます。おかげで始終首を左右に振り、「いらないよ」とアピールしながら歩いていました。道を渡ろうとしているときにバイクタクシーが寄ってくるのには閉口します。徐行で通り過ぎるので道を渡るタイミングを逸してしまうのです。

2度目に来たのはシアヌークヴィルの帰りで、翌朝のシエムリアプ行きの飛行機の時間まで半日ありました。その間に、バス停から航空会社まで歩き、切符を買い、キャセイホテルまで歩きチェックインします。そしてマーケットまで歩いて両替し、うろうろ歩いてラーメン屋を見つけ、フォーを食い、そのまま王宮を経由してソフィテルホテルの南の広場まで歩きメコン川を眺めます。この間約1時間。川を眺めながらコーラを飲んで昼休みを取り、さらに歩いてバイクタクシーを探します。探していると見つからないもので、特に英語が話せる運ちゃんが見つからず、結局キャピトルGHまで歩いちゃいました(約30分)。さすがにこの辺には運ちゃんもスタンバイしているようで物欲しげに立っているとすぐに寄ってきました。

これから行こうとしているのがトゥールスレン博物館とキリングフィールドでした。この二つの場所は方向が同じためセットで観光コースになっています。この運ちゃん、英語をしゃべるのはいいのですが、物凄く下手くそでした。何しゃべっているのか全く理解出来ません。「え?なに?」と聞き返そうものなら、振り向いて僕が理解するまで何度も話すのですこぶる危険です。だから解ったふりをして「はいはい」と相づちを打ってました。しかし運ちゃんもたまには質問もしてくるらしく、「はいはい」などといい加減な返事をばかりしていると、後ろを振り向いてもう一度懇切丁寧に始めから説明を繰り返します。全く危険きわまりないです。

しかしながらコミュニケーションは不思議な物で2時間も一緒に行動していると何となく何を言っているのか解ってきます。キリングフィールドからの帰り道には運ちゃんの言っていることの30%位は解るようになってました。その帰り道、運ちゃんはわざと遠回りしてプノンペンの色んな所を案内してくれているようでした。まずはプノンペンの貧民街を回ります。「これがカンボジアの真実なんだ。政府は金を持っているが、民衆は貧乏でこんな生活をしている」。こんな事を話しているようです。怪しげな所を通るので、変な所に連れて行かれて身ぐるみ剥がれるのではないかと少々心配にもなります。貧民街の次にロシア大使館の前を通ります。高い塀に囲まれて中は見えません。「ロシアは大嫌いだ」と運ちゃんが言っているみたいです。続いて売春窟も回ります。「ベトナム人の娼婦がいるんだよ。外国人なら3〜5$だけど、地元の人なら3000Rくらいだ。寄ってみる?」なんて言っているので見てみると、物凄いおばちゃんが僕を見てにこやかに手を振ります。いや、あれはおばちゃんではなく厚塗りの顔白化粧を施したおっさんです。「ノーサンキュー」と言うと、運ちゃんもその方向を見てウンザリした顔をして笑います。さすがに運ちゃんもあのおっさん娼婦にはびっくりした様子でした。ベトナムには男の娼婦が多いと言う話は聞いたことありますが、カンボジアまで出張して来ているとは知りませんでした。

この運ちゃんも悪いヤツではないようで、長く一緒にいると情も移って何となくフレンドリーな感じになりますが、やっぱり僕には歩いていた方が性に合います。丁度、博物館の近くでガス欠になったのでここで下りて金を払いました。5$でした。

で、博物館に行くと今日は休業のようのなので、川沿いをのんびり歩いて一度ホテルに帰ります(約1時間)。そしてメシを食うためまた出かけます。マーケットの近くに美味しそうな中華レストランを見つけておいたのでそこで夕食。ここは美味しいです。英語の分かる店員が不在だったので、中国語は解るか?と聞いたらちゃんと中国語の解る店員が出てきました。カンボジア風チキンフライとアンコールスタウトビール(黒ビール)を頼みます。美味しいです。でも店の名前は忘れちゃいました。マーケットの1ブロックばかり東北の角にあります。

夜、シャワーを浴びた後、喉が乾いたのでジュースを飲みに外出しました。100mほど行った所にフルーツジュース屋があったのでアップルジュースを頼みます。リンゴとニンジンと訳のわからんフルーツの破片をミキサーに入れ、氷とコンデンスミルクを加え、さらに生卵を加えてかき混ぜます。出来上がりです。ミキサーは洗わず使います。何が怖いかって、夜の強盗よりも100倍怖かったです。生卵は怖いです。この夜、あらゆる神様に向かって「腹をこわしませんように」とお祈りしました。

さて、3回目にプノンペンに寄ったのは帰国の前ですが、2泊3日も滞在しました。時間が余ってヒマでした。で、どう行動したかというと…、誰もこんなの読みたくないでしょう。けど、もう旅行から帰って来て何日も経ってしまい、帰国時のテンションも低くなって、書くことが他に無いのです。だからしつこく書きます。

スピードボートでシエムリアップからプノンペンに着いたのが11時半。バイクでキャセイホテルに行きます。メシを食いたくて、マーケットまで歩き、フォーを食い、両替もします。一度ホテルに帰り、昼休みを取ります。この頃になると昼の12時から2時まで休むのが習慣になってきました。暑くて歩いていられないのです。テレビで台湾の衛星放送を放送しています。何故か日本のプロレス特集でした。これは毎日のように放送していたので、カンボジアと台湾では蝶野は有名人になっているでしょう。

午後は博物館に向かいます(徒歩約20分)。2時の開門時間に合わせて到着しますが、係員はトランプに夢中で、時間を過ぎても開きません。30分も待っていましたがダメです。結局外10人くらいの客が待っていたのにもかかわらず、この日は休館日になりました。がっかりです。仕方なく川沿いをとぼとぼ歩いてワットプノンに行きます(徒歩約30分)。ここは丘の上にある寺で、地球の歩き方には入場無料と書いてあるのに、入場料1$でした。なんか払うのが面倒になって入場はせず、マーケットまで行きます(約20分)。お土産を買い、モノボン通り南下して、左折して川辺へ(約1時間)。川辺で休みながらサンセットを待ちます。しかし、曇りだったので美しい日没はみれそうになく、あきらめてメシにします。先日行ったマーケットのそばの中華レストランまでまた歩きます(30分)。馬鹿みたいに行ったり来たりしています。

この日食ったのはfried pork with gingerで、最高に美味です。またアンコールスタウトビールも頼みます。付け合わせでニンニクスライスと唐辛子が出てきてこれをかじりながらビールを飲みながら料理を食います。計4$でした。ウマイです。

次の日の朝。キャセイホテルを出てマーケットへ歩き、買い物をした後、朝飯を食うためにサンドイッチ屋を探して川岸まで歩き、見つからないので折り返して、オールドマーケットまで歩いて発見。サンドイッチを食いながら歩いているとサトウキビジュース屋をさっき見かけたのを思い出し、どこだったか探しながら歩いていると、ワンブロックを一周してしまいました。やっとジュースを飲んでキャセイホテルに帰ってきます。この間でもう1時間以上歩いています。ホテルをチェックアウトしてバイクで別のホテルに向かい、チェックイン。その後、王宮とシルバーパゴダを見物した後ホテルに帰って休息します。このルナクセホテルは昨日歩いている途中で予約しておいた所です。王宮の目の前にある由緒ありげな建物で、広い庭が付いています。部屋の調度も昔風で、設備はへなちょこでしたが、大変雰囲気の良いホテルでした。それだけなら普通なのですが、ラッキーなことに私の泊まった部屋には素晴らしいテラスが付いていました。このテラスでジュースを飲みながらダラダラします。最高ですか?…最高でした。

午後は昨日みれなかった博物館に3度目のチャレンジ。今日は開いてました。参観した後、独立記念塔まで歩き、シアヌーク通りからモニホン通りを歩き、またセントラルマーケットまで来てしまいました。行ったり来たり、もう迷走状態です。Uターンして別の道を探しながらホテルへ戻ります。メシの時間になったのでホテルから川岸を歩きながら写真を撮ったりしながらオールドマーケットの近くまで来たところで、サンセットがとても美しいので、もう一度王宮に引き返し、写真を撮ります。日が暮れたのでレストランを探そうとまた川岸を歩いていると、屋台が出ていて美味しそうなのでそこでメシを食いました。焼きうどんとつくねとビールとサービスで出てきたサラダ、合計6500R。ウマイです。ホテルに帰り、もう一度テラスでビールを飲み酩酊状態で布団に入りました。

さて最終日。もうすぐ終わりです。ここまで読んだ方、もう一息です。がんばって。

朝飯をホテルで食い、まずは南に向かって歩きます。ソフィテルホテルの前を西に向かい、独立記念塔を通り、邸宅街を歩きます。大使館とか、金持ちの邸宅が並んでいます。中には政府高官の家なのか、高い塀を張り巡らせ、前の道を封鎖してお巡りを待機させている邸宅もあります。そんなのを観察しながらダラダラと2時間ほど歩きます。またまたモニボン通りを歩き、またまたキャピトルGHの所で東に向かい、王宮に戻り、ホテルに帰ります。今日は完全にやることもなく、行くところもありません。

11時にホテルに帰り、もう一度テラスでジュースを飲んで、チェックアウトします。荷物を預け、川辺をまた歩きます。飛行機は5時発なのでむちゃくちゃ時間があります。インターネットカフェに行ったりしても全然時間が減りません。昼飯を食おうとうろうろ歩いて食堂を探します。最後のメシなので何か有意義なものを食おうと思えば思うほど丁度良い食堂がありません。12時を過ぎているので昼飯の時間は終わっているのです。大体11時頃にはみんな昼飯を食べるので、12時になると食堂は閑散としているのです。やっと見つけたのは普通のそばやでした。「big or small?」と聞かれたので、当然どんぶりの大きさだと思ったら、麺の太さを聞いていたみたいです。細い麺が出てきました。パクパク食っていたら乗っていた豚肉が生煮えなのに気づきました。危険です。すこし食っちゃいました。最後の日なのに、今更ゲリピーにならないようにと、あらゆる神様にお祈りしておきます。

時間をつぶすのはなかなか大変でした。川辺を行ったり来たり、マーケットにも行っちゃいました。やっと3時になり、ホテルからバイクタクシーで空港へ向かいます。

ホテルの前にはいつも何台かバイクが待機していて、これまでもホテルを出ようとすると僕の前に寄ってきて「どこ行く?キリングフィールドか?行こう行こう!」と話しかけてきました。キリングフィールドがダメだと知ると次は「サンセット行こう」「プリティガール行こう」「バンバン行こう(射撃場ね)」と次々誘ってきます。僕は今まで全てそれを断り、もう運ちゃんと顔見知りになっていました。荷物を持ってホテルを出るとまた一人の運ちゃんが出てきて「どこ行く?」と寄ってきます。「空港までいくら?」と聞くと「4$」と言います。むちゃくちゃ高いです。空港から市内まで1$で来たのですから。で、まだホテルの門の前に2人いるのでそいつらの方に歩いていきます。すると、二人とも指を2本立てて待っていました。

結局2$で話が決まりましたが、誰のに乗っていけば良いのか解らなかったので、「誰が行く?空港まで2$」と言うと、内輪で相談して、結局最初に4$と言ったヤツが前に出てきました。

空港までの道のりはなかなか楽しいものでした。運ちゃんは不思議そうに聞きます。「おまえはキリングフィールドに行かなかっただろう?どうしてだ」。どうやらずーっとホテルの前で観察していたようです。「前に来たときに行ったんだよ」。「プリティガールも行っていないだろう、バンバンも行っていないだろう、カジノも、スモークもないだろう。これから行こう」。と誘って来ました。スモークというのは初めて聞きました。マリファナの事でしょう。歩いてばかりで退屈していたプノンペンですがいろいろ楽しいことあるようです。

運ちゃんはなかなかのインテリで英語も上手く、色々物知りでした。さすがはホテルの前で日がな待っているだけの事はあり、客を選ぶ運ちゃんのようでした。「明日キミの国のプライムミニスターが来るんだよ」と教えてくれました。街の至る所に日本の国旗が飾ってあったので不思議に思っていたのです。「キミは日本人にしては英語が上手いねえ」。お世辞も上手いです。ここまで言われたら、残っていた現地通貨の小銭は全部運ちゃんに差し上げるしかないでしょう。僕は快く2000R余りをチップとして運ちゃんに差し上げました。ここまで計算してたのなら、この運ちゃんは出世するでしょう。

やっと終わりました。長いねえ。つまんないねえー。読んでくれた人ごくろうさん!どう?行ってみたくなった?

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