九寨溝(Jiuzhaigou)1999.8

 


熊猫海。パンダ(熊猫)が出没したことからこの名前が付いたのですが、今はもちろん出没しません。


素晴らしく透明度の高い湖です。さすがにここでは誰もゴミを捨てたりしません。


諾日朗瀑布。


長海。北欧のフィヨルドみたいな景色です。ボートで奥まで行ける。


無数の池と緑の山。童話の世界と中国人は形容しています。カナダやアラスカの風景に近いんじゃないかと思います。


でもバスは大混雑。

■九寨溝について■
九寨溝は今からわずか20余年前に発見された観光地です。交通の便が極端に悪かったため、当初は限られた人間しか立ち入ることの出来ない秘境でしたが、それからわずか10年後には中国人の憧れの観光地となり、昨年道路が全面 的に舗装されたことを受け、誰でも気軽に訪れることが出来るようになりました。旅行ガイドを見ると、九寨溝へのツアーは最低5日間からで、二日がかりでやっとたどり着くと書いてありますが、この道路の開通 により、今では4日のツアーが登場してきています。

私も今回ツアーに参加して九寨溝に行って来ました。3泊4日のツアー(交通 ・入場料・宿泊・食事全部込みで830元)でした。同じ4日のツアーでも830元のから1000元を越えるものまで色々な種類のがありますが、内容は結構いい加減です。

ツアーの内容は殆どが同じようなもので、九寨溝と黄竜を観光して、帰りに都江堰に寄るというのが一般 的です。他にも5日・6日のツアーもあり、日程が長いと「大草原」とか、横道に入ったようなおまけの観光地を回ることになります。大草原というのは長征の時に紅軍が行軍して多くの命が失われた所です。

ツアーで回るとどうしても周りの人のペースで回らなくてはならないため、十分納得するまで風景を堪能することは出来ません。ただし、これがツアーでなくてものんびり景色を堪能することは出来ないので五十歩百歩です。どんな方法で行ったとしても、九寨溝は中国人に大人気の観光地ですから、人で溢れ、決してのんびりとは出来ないでしょう。もし、観光客の洪水を避けたいならば、冬に行くか、せめて8月のピークは避けたいものです。

九寨溝の天気は非常に不安定と聞いていますが、私が行った8月上旬は晴れていました。太陽が出ていると暑く、出ていないと過ごしやすいです。トップシーズンは8月から10月とのことでした。雨が降るか否かは運です。9月以降なら紅葉が見れますが、結構寒いと思います。

九寨溝の園内は、環境保護のため「緑色巴士(グリーンバス)」しか交通機関がありません。団体で行っても一人で行っても同じバスで移動させられます。このバスは3〜10分に一本、主な見所の間を走っていて、結構便利ですが、観光客が多いと死ぬ ほど込みます。誰も並んだりしないので、乗ろうと心を決めたら、何も考えず、良識や常識、人情やいたわりは一切捨て、全神経を乗車することだけに集中させましょう。けっこうな修羅場が見れます。


■見所■
九寨溝の園内の道はYの字をしています。Y字の左の終点が長海、右の終点が原始森林、Yの字の分岐点に諾日朗瀑布があります。この終点の長海や原始森林はたいして面 白くありませんが、それ以外の場所は、ゆっくり散策する価値があります。ツアーに参加していないならバスでこのどちらかの終点に行って、後は歩いて諾日朗瀑布まで帰るのがいいと思います。疲れたらバスに乗ればいいでしょう。バスに乗ったほうが疲れるという意見もあります。

Yの字の左側で一日、右側で一日、その他で一日あれば思う存分九寨溝を楽しめます。
ツアーの僕は一日で全部回りました。かなりハードでしたがそれも不可能ではないです。

■交通■
成都からバスがあります。15時間くらい覚悟しておきましょう。夜行バスもあるそうです。園内はグリーンバスが走っていますので観光の足は問題ありません。
ツアーバスなら松潘まで8時間、そこから九寨溝まで3時間です。
またここにはヘリポートがあるそうですが、定期便があるかどうかの情報はありませんでした。おそらく国賓専用かと思います。

■宿■
公園の外には各種の宿があります。高いのは外にしかありません。九寨溝賓館は500元くらいだそうです。園内にも沢山宿がありますが、ほとんど団体用で、レセプションがどこにあるか解りにくいです。宿が集まっているのはY字の下端の荷叶寨と、Y字の分岐点の諾日朗です。