開平(Kaiping)2002/4
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■蜆岡鎮■

最も有名な洋楼と思われる「端石楼」がある町です。色々な写真でよく使われています。形もヨーロッパのお城のようで優雅で品格があります。また匪賊(強盗団)対策として色々な設備を備えていて、この地域の洋楼の特徴も兼ね備えています。


端石楼

筆者はこの楼の存在すら知らなかったのですが、適当に歩いていたら見つけてしまった上にラッキーな出会いもありました。丁度、政府の役人が香港の記者を案内してここに来ており、楼のオーナーに中を案内してもらうことができました。普段はオーナーは市内に住んでおり、中に入ることはできません。しかし近いうちに観光地として一般に開放する用意はあるようです。


昇峰楼を端石楼の上から見る

端石楼は1923年に香港の華僑、黄壁秀氏によって建てられました。そばに建つ錦江楼(1918年)、昇峰楼(1928年)とともに全国重点文物保護単位になっています。ちなみに案内してくれた現在のオーナーは建てた人の孫の孫だそうです。中は8階建てで、各階はほぼ同じ作りになっています。中央に居間があり、両側に寝室です。一つの階に一家族が住んでいたようです。7階は仏間でベランダがあり、床と壁に銃丸があります。8階は見張り台で灯台の様に周囲をライトで照らして見張っていたようです。


斜楼。正式な名前は知らない。

端石楼以外にも蜆岡鎮の町の中には古い建物が沢山あり、ほとんど壊れかかっています。蜆岡鎮の郊外、南興里には斜めに傾いた塔の様な洋楼もあります。何でも建てたらすぐに傾きはじめてしまったとか。今でも倒れないのでまるでピサの斜塔みたいだと地元の人は自慢にしています。ここまで歩いても行けなくはないですが、途中の路に面白いものは何もないのでバクタクシーでどうぞ。5分、片道5元で、運転手に腕を斜めに倒して見せれば連れていってくれるでしょう。

蜆岡鎮へは義ツー汽車站からは金鶏行きのバスに乗ります。30分毎にあり、4元。40分程で着きます。端石楼まではバスを降りるとバイクタクシーが寄ってきます。歩いても30分くらいです。

 

■自力村■

洋楼が沢山集まって建っている所です。のどかな畑の中ににょきにょき立っていてなかなかシュールです。特に特徴的な建物があるわけではなく武骨な牢獄のような楼が多いです。


自力村

楼は計15棟。 一番古いのが1917年に建てられた龍勝楼で、新しいのは1948年の湛廬だそうです。ちなみに塔みたいに縦に長いのが「楼」、低くて邸宅の様なのが「廬」と呼び分けているようです。どの建物も入り口は閉ざされていて中には入れません。中には今でも人が住んでいる物もあります。


岐嶺村

自力村は塘口鎮の中にあります。 義ツー汽車站から公安行きのバスで塘口下車。町の入り口のガソリンスタンドの所で下ろしてくれますので、そこから町の中心まで歩いて10分弱です。歩いているうちにバイクタクシーが寄って来ます。自力村まで5分、5元。歩いても40分くらいです。途中村がいくつかあり、強亜村にある中学校や岐嶺村など見所もあります。塘口の入り口からは屋根がドーム形をした塔を見ることができます。

 

■立園■

アメリカに住む華僑の謝維立氏が20世紀初頭に建てた邸宅です。広大な庭園は中国の庭園と、カントリーハウスの雰囲気を折衷したもので、その中にいくつかの洋楼が建っています。


立園

ここの洋楼はどちらかといえば中華風で、きちんと修復されているのであまり面白味はありません。しかし、正式に建物の中に入ることができるのはここくらいなので行く価値はあります。中が見れるのは3つの建物で、一つは謝維立の住居、一つがその愛人の住居、これらは調度品を含めてきちんと保存されてます。3つ目は展示館になっており、開平市の洋楼のパネルなどがあります。


立園近くの村でみつけたカテドラルの様な建物。現在は学校として使われている。

庭園の外には丘があり、登ると見晴らしがよいので登ってみましょう(疲れるけど)。 周辺には村がいくつかあり、それぞれの村に様々な洋楼があります。また、園内には青年旅社という宿もあり、古い農家を模した作りになっています。泊まれるかどうか聞いていませんし、泊まるとしたらかなり寂しい一夜を過ごすことになるでしょう。客はいません。回りには何もありません。

ちなみにここは全国重点文物保護単位に指定されています。それほどの物なのかは甚だ疑問ですが、入場料はしっかり15元取られます。

ここに来るには開平の義ツー汽車站から公安行きのバスが20分毎に夜6時頃まで出ています。約40分、3元。4番の市バスも時々ここまで来るようです。開平まで3元。塘口や赤坎からならバイクタクシーでも来れる距離ですが立園周辺にはあまりいません。

 

■南楼■


南楼

開平の町からそう遠くないところにある塔の形をした洋楼です。特に特徴のない建物ですが、観光地になっています。というのもここは1945年に7人の地元の人がこの楼に立て籠もって日本軍と戦ったという場所なのです。塔の壁面は砲弾によって穴だらけになっていて、そばには展示館もあります。展示館と塔の入場には料金が必要ですが、この時は係員が見つかりませんでした。そばの川で釣りをしていたのが係員だったのかもしれません。 交通は長沙汽車站から6路のバスで1.5元、約20分。

 

 

■その他■


赤坎の町並み

義ツー汽車站から出る公安行きのバスは立園・塘口・四九を通るので便利です。立園・四九の間には沢山の洋楼が建っていますので気が向いた所で下りて散歩するのもよろしいんじゃないでしょうか。面白い物が見つかるかもしれません。
赤坎は国道沿いの町で興味深い建築が町の中心部にいくつかあります。郊外にはあまりありません。ここへは開平から4路、6路のバスで行けます。これらのバスは一回乗る度に市区内1元、市外1.5元を払う仕組みなので気が向いたときに下りるのに便利です。
開平市内にも古い建築は残っています。旧市街は潭江大橋の南にあります。かなりボロボロの古い商店街があります。

 

 

■開平周辺地図■

ここに掲載した各種の地図は縮尺や方角がかなりイイカゲンなので眉にツバして見て下さい。
またこれらの建築については本文中で「洋楼」と表記しましたが正しくは「ディアオ【石へんに周】楼」と言います。
本文中で義ツー汽車站と書いてありますがツーは【しめすへんに司(ネ+司】という字を書きます。
開平市のホームページにも若干の紹介がありますのでhttp://www.kaiping.gd.cnをご参照ください。 中国語です。
現在の所、立園と南楼の展示室以外は入場料等は不要です。しかしいずれは村の入り口などで入園料を取るようになるかもしれません。観光開発が本格化すると、建物にはペンキが塗られ、田んぼのあぜ道は舗装され、面白くもなんともなくなります。興味のある方は今のうちにいらっしゃってください。

 

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