中甸(Zhongdian)2000.5

　


寺院のある丘（地図には大亀山公園と書いてある） の上から見た中甸の町並み。


■松ザン林寺の全景。


■松ザン林寺のテラスで中甸の町並みを見下ろす 坊さんたち。


土の壁に囲まれた寺である。


■半ば強制的にカメラを取り上げられ、写 真を 撮らされた。妙に外人慣れした松ザン林寺の坊主。


展望台にいた婆さんと羊。羊と一緒に写真を撮らせて金をもらうという商売をしている。婆さんが記念撮影しているグループに近づくと「不要羊！」とけんもほろろに断られて少しかわいそうだった。


■羊ならナパ海に行けば一杯いる。


中甸の町はずれまで歩いて行けば
いくらでもこんな景色がある。


中甸の町で会った子供。

松ザン林寺とナパ海の漢字表記は右記の通 り。

　

■中甸について■
大変な寒さです。4月末の最低気温が3度です。東京の冬と同じだから大丈夫だろうと思っていましたが大間違いです。東京には暖房がありますが、中甸にはありません。だから体感気温はもっと寒いです。最初は5日くらい滞在して徳欽まで足を伸ばそうと思っていたのですが、寒さで断念。しっぽ巻いてほうほうのていで逃げ出しました。太陽が出ると多少は暖かいですが、風が強いので昼間でも東京の冬と同じかそれ以上の防寒の準備が欲しいところです。夜もシャワーを浴びてすぐ布団に入らないと湯冷めします。僕の泊まった部屋は不幸にも電気毛布がなく、煎餅布団一枚だけでした。シャワーの後体が冷えてしまい、Ｔシャツ+長袖のＴシャツ+長袖のＹシャツ+セーターを着て、下はＧパンの上にジャージを履き、靴下まで履いて寝ました。それでも寒くて夜中まで熟睡出来ませんでした。
ここらは標高3300mくらいありますので、高山病の心配も若干あります。気分を悪くしている人は見ませんでしたが、無理をしたり、酒を飲み過ぎたりすると体を壊しますので注意しましょう。

中甸は今では「シャングリラはここだ！」と盛んにプロモーションがなされ、人気の秘境観光地になっています。シャングリラというのはジェームズ・ヒルトンの小説「失われた地平線」に出てきた理想郷の事です。ある西洋人の乗った飛行機が不時着してその理想郷にたどり着くという話ですが、映画で見た限りではそこはもう少しあたたかそうでした。だから中甸はシャングリラ失格。

■見所■
中甸の町の中にはあまり見所はありません。ここで数日腰を落ち着けて周辺の村や観光地を回ることになります。

1.松ザン林寺：中甸の町はずれにあるラマ教の寺です。町の中心の長征路から3番のバスに乗って約20分で着きます。歩いても行けます（町の中心から1時間）。私はここで初めて本格的なチベット風ラマ寺院を見て少し感動しました。土の壁に囲まれたなかなか風情ある所です。チベットに行かれた方なら大したことないと思うかもしれません。 入場料がかかりますが裏の方から入ったらタダでした。ここの坊主は観光客慣れしていて写 真撮影に気軽に応じてくれます。気軽過ぎるかもしれないです。

2.中甸旧市街：永生飯店の裏手、町の南側が旧市街です。もう崩壊しています。住んでいる人も少なく、建物はボロボロです。しかし面 白いです。「紅衛小学校」という文革の遺物のような小学校があったり、石畳の道があったり、ゆっくり歩けばいろいろな発見があるでしょう。

3.ナパ海 ：中甸の市街から8kmの所に山に囲まれた平原があって、そこで羊や牛や豚やヤクが放牧されています。麗江で雲杉坪に行かれた方は行く必要はないです。はっきり言ってつまんない。タクシーで往復100元払って行きましたががっかりしました。

4.その他 ：僕は2泊3日で中甸を逃げ出しましたがここにはまだまだ色んな見所があります。問題はそれらの場所が結構離れた所にあるという事です。そこに行く足が面 倒です。効率的に回るなら町中至るところにある旅行会社で募集しているツアーに参加するのがいいと思います。その代表的なものとしては
●碧塔海・ナパ海・松ザン林寺、一日ツアー、150元/人
●白水台、一日ツアー、150元/人
●シャングリラ峡谷、一日ツアー、150元/人
●梅里雪山（徳欽）、二日・三日ツアー。500元/人〜
ほとんどのツアーは個人での参加も大丈夫ですが、中国語のガイドしかつきません。
このほかに奔子欄という所に行った西欧人に会いましたが、かなりお薦めだと言っていました。なによりあたたかいらしい。
■交通■
麗江からバスで約5時間、バスは何本もあります。僕が乗ったバスは途中の道がぬ かるんでいたため、7時間以上かかりました。道は舗装されていますがメンテナンスが悪く雨が降るとこういうことになるようです。
昆明や下関からなら豪華バスもあります。昆明を早朝出て夜に中甸着というパターンです。また夜行寝台バスもあります。
昆明へは飛行機もあります。一日2便出ていて切符は前日でも取れました。2便とも中甸を8時台に出ます。昆明を出るのは早朝ですので、空港までの足を確保するのが大変です。
徳欽へのバスは毎朝6時台に一本あります。4月だと雪が降る場合があり、何時間かかるかは運次第とのことでした。
郊外の観光地に行くにはタクシーやランドクルーザーをチャーターするしかない場合が多いようです。タクシーは郊外を回って一日300元〜（外人なら400元くらいか）、北京ジープで徳欽まで行った日本人の話だと一日600元 （パジェロだともっと高い）かかるそうです。
■宿■
ほとんどの人が永生飯店に泊まります。 すごく立派な外観のホテルで280元くらいで風呂付きのツインがあります。ドミは20元。基本的には電気毛布が付きますが運の悪い僕は電気毛布ナシの部屋でした。他にも60元くらいの風呂なしツインもあります。シャワーは共同のがあり、お湯も夜は出ます。
この他にもディ慶（ディはしんにょうに由 ）賓館というホテルがバスターミナルの近くにあり、風呂付きツインは320元くらい、ドミは20元です。このへんのホテルの値段はメモを取っていないので正確ではありません。
■チベット情報■
中甸からチベットのラサを目指す人は多く、僕が出会った一人はヒッチで、もう一人はチャリで 目指してました。この二人の情報収集しているのを横で聞いていたところ、以下のような話でした。話をしてくれたのは永生飯店にある旅行代理店のやり手のお姉さんです。
●チベットへの道は解放されていないので本当は行ってはいけない。
●旅行証があれば問題なく行ける。旅行証は1000元強払えば取れなくもない。
●しかし旅行証を取るのには10日以上かかるし、面倒だ。取らないで行っても全然ノープロブレムだ。
●徳欽から北にラサを目指すと必ず捕まるので行ってはいけない。夜に闇に紛れて突破しようとしても絶対捕まる。
●でもノープロブレムだ。横道がある。そこをゆけ。
肝心の横道がどういう道だかは聞いたけど忘れました。 僕自身は、チベットを陸路目指すつもりは毛頭ないのでいい加減な情報です。